腎腫瘍
腎腫瘍は、良性と悪性があり、良性のものには、腎のう胞や腎血管筋脂肪腫などがあります。悪性のものには、腎細胞がん(腎がん)と腎盂がんがあります。
腎のう胞
腎臓にできた液体が貯留した袋状のものです。ほとんどは、症状が無く、検診の超音波、CTでみつかります。きちんと診断されていれば、経過観察で問題ありません。非常に稀ですが、のう胞壁に石灰化や肥厚が見られ、嚢胞型腎がんであることもあります。
腎血管筋脂肪腫
良性腫瘍で普通は、自覚症状は、現れにくいです。やはり検診などでみつかることが多く、通常小さくみつかりますが、大きい場合には、腎臓の周りに出血してしまうこともあります。そのため、大きいものは、腎動脈塞栓術や手術をすることもあります。また、結節性硬化症という病気で起こることもあり、近年では、内服治療を行う事もあります。
腎細胞がん
尿細管の細胞が由来の悪性腫瘍で、中年以降に多い病気で、近年増加しています。腎細胞がんには、特徴的な症状はなく、小さいうちに発見される腎細胞がんは、他の病気のための検診などで偶然に発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎細胞がんが見つかることもあります。進行している状態だと血尿、腹部腫瘤触知、全身の症状として体重減少、発熱、貧血も見られることがあります。
診断 超音波検査、腹部造影CT検査、MRIなどで病期(がんの広がり)を診断します。
治療(当院では行っておりません。)
・手術(ロボット支援、腹腔鏡下、開腹) がんが小さい場合(一般的には4㎝未満)がんを部分的に摘出します。後述の腎摘除術よりは難しくなりますが、正常部を温存することができます。がんが大きい場合は正常部分が残っていたとしても片方の腎臓を(がんを含めて)すべて摘出します。(ロボット支援、腹腔鏡下または、開腹で行うかの判断は、過去において腹腔内の手術が行われて、癒着が予想される場合や治療を受ける病院でそれらの機械が備わっているかなどで決まります。)がんが遠隔転移している場合も、がんのある腎臓を摘出することがあります。
・分子標的薬 がんの増殖やがんの栄養血管の増殖に係る因子を抑えることで、抗腫瘍効果を発揮します。