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蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹(じんましん)の治療蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の一部が突然に、赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると、あとかた無く消えてしまう病気です。痒みを伴いますが、チクチクした痒みに似た感じや、焼けるような感じを伴う場合もあります。蕁麻(イラクサ)の葉に触れると痒みを伴う発疹が出現するため蕁麻疹と命名されたと言われています。膨疹は、数十分から数時間以内に消えるのが普通です。中には、半日から1日くらい続く物もあります。

大きさは、1~2mmくらいのものから数十cmくらいのものまで様々で、形は円形、楕円形、線状、地図状などと表現され、融合して体表のほとんどが覆われてしまう事もあります。

原因

アレルギー性蕁麻疹

食物や薬剤などアレルギーが原因で起こる蕁麻疹。接種30分以内で起こる事が多く、慢性的に続く場合は膠原病や内臓疾患を合併する場合が多くあります。小麦製品・エビなどの特定の食品を食べた後、すぐに運動をすると、蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難などのアナフィラキシー症状を起こす人がいる事が分かりました(運動誘発性蕁麻疹)。

非アレルギー性蕁麻疹

機械・圧迫や日光や発汗・ストレスなどが原因で起こる蕁麻疹です。激痛を伴うケースもあります。

原因は、ある種の過敏体質と、外的要因が組み合わさった時に症状が現れます。

食物 魚介類(サバ、サンマ、マグロ、エビ、カニなど)
肉類(豚肉、牛乳、鶏肉など)
卵、乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)
穀類・野菜(大豆、小麦、ソバなど)
食品添加物(人口色素、防腐剤・パラベンなど)
薬剤 抗生物質、解熱鎮痛薬、咳止めなど
植物・昆虫 イラクサ、ゴム、蜂など(刺されたりして起きる)
感染症 寄生虫、真菌(カビ)、細菌、ウイルス
物理的刺激 機械的擦過、圧迫、寒冷、日光、温熱、振動
運動・発汗 内臓・全身性疾患(血液疾患、膠原病など)
疲労・ストレス(身体的なもの、精神的なもの)

蕁麻疹と食物アレルギー

食物アレルギーの代表的なものに、サバ、アジといった青魚、豚肉を初めとする肉類、またタケノコなどがあります。また、エビやカニなどの甲殻類や、果実が原因になる事もあります。

食物による蕁麻疹にも、アレルギー性の物と非アレルギー性の物があります。

青魚、肉類、ほうれん草などが原因の蕁麻疹にはアレルギー性のものもありますが、食品中にヒスタミンという蕁麻疹の原因となる成分が含まれている事によって起こる場合もあります。このタイプの蕁麻疹は、食べ方や、量、消化管からの吸収のされ方などに大きく影響を受けるため、検査では原因を明らかにする事ができません。

いずれにしろ、食物による蕁麻疹は、特定の食物を食べた時にのみ症状が出現する事が多いので、多くの場合は原因食物を予想する事ができます。
何週間も続けて毎日のように繰り返して出現する蕁麻疹の場合には、食物が原因になっている場合は、ほとんどありません。

蕁麻疹の経過

症状が出始めてから1ヶ月以内の物を急性蕁麻疹、それ以上続くものを、慢性蕁麻疹と呼びます。

多くは夕方から夜にかけて現れ、翌朝から翌日の午前中ごろには消失し、また夕方から出始めるという経過を取ります。

蕁麻疹の種類

急性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して1ヶ月以内のもの。細菌・ウイルス感染などが原因となっている事が多い。
慢性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して1ヶ月以上経過したもの。原因が特定できない事が多い。
物理的蕁麻疹 機械的擦過や、圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった、物理的刺激により起こる。
コリン性蕁麻疹 入浴や運動などで汗をかくと現れる蕁麻疹。一つ一つの膨疹の大きさが、1~4mm程度と小さい。小児から、若い成人に多い。
アレルギー性蕁麻疹 食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こるもの。アレルゲンに結合するIgEが関与している。
血管性浮腫 唇や瞼などが突然腫れあがり、2~3日かかって、消える。
痒みを伴わないもので、まれに遺伝性の場合がある。

検査

アレルギー性のものは、血液検査や皮膚を用いた検査(皮内テスト・プリックテスト)で、判定する事ができます。ただ、この検査が陽性であっても、それらが全て蕁麻疹の原因とは限らないので、最終的には臨床症状やそれまでの経過で合わせて判断をします。薬が疑われる場合には、皮膚を用いた検査や、ごく少量の薬を実際に飲んだり注射してみたりして確認する事があります(誘発テスト)。治療非アレルギー性の蕁麻疹は、それぞれ誘引となる刺激を与えて、蕁麻疹が起こる事を確認する検査が行われる事もあります。

治療

第1は、原因、悪化因子を取り除く事。または、避けるようにする事。

第2は、薬による治療で、数種類ありますが、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤が用いられます。

これらは、内服薬、注射薬として用いられた時に効果を発揮しますが、外用剤として使用する場合は多少の痒み止めくらいの効果しかありません。

生活上の注意としては、疲労やストレスをできるだけ溜めないようにする。ほとんどの物は、たまたま一度だけ現れるか、繰り返して起きても1ヶ月以内には起こらなくなります(急性蕁麻疹)。

物理的蕁麻疹などは、何ヶ月~何年かの間に、徐々に反応しにくくなってくる事が多いようです。

原因のはっきりしない慢性蕁麻疹の場合は、自分自身では症状を避ける事ができず、数ヶ月、あるいは数年にわたり、蕁麻疹の出没を繰り返す事が珍しくありません。

多くの場合、薬を飲んでいれば症状は治まりますが、止めればまた元通りの症状が出るようになってしまう事があります。そのため慢性に経過する蕁麻疹の多くは、症状の有無に関わらず長期に渡り薬を飲み続ける必要があります。しかし、そのようにしてうまく症状をコントロールしていくと、ほとんどの場合は少しずつ、薬の量を減らす事ができ、やがては薬を中止できるようになります。

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